引っ越しをする時、近隣の方に挨拶をすべきかわからない方や、そもそも挨拶が必要なのか疑問に思っている方もいるかもしれません。

この記事では、引っ越しの挨拶が必要かどうかを解説した上で、挨拶時のマナーや粗品の予算などを説明します。これから引っ越しを予定している方は、ぜひ参考にしてください。

引っ越しの挨拶は必要？

引っ越しの挨拶は、一般的にはお世話になった旧居周辺の方や新居の近隣に住む方にするのが好ましいです。

引っ越し当日は、トラックや荷物で道路や住居の入口が塞がれる、通行の妨げになるなどの可能性があります。また、引っ越し作業時に騒音を立てることも少なくありません。挨拶をして、迷惑をかけてしまう可能性があると先に伝えれば、気兼ねなく引っ越し作業を進められます。

また、旧居の近隣住民に挨拶をすれば、これまでお世話になったお礼を伝えられる機会を作ることが可能です。新居の近隣住民に挨拶をしておけば、早めに顔見知りになれるため、万が一の際に助け合いやすいでしょう。

ただし、引っ越しの挨拶をすべきかどうかは、状況によっても異なります。絶対にしなければならないわけではないため、以下の内容も参考にした上で自身の場合はどうすべきかを考えましょう。

世帯人数や引っ越し先の環境によっても挨拶の必要性は異なる

引っ越しの際は挨拶するのが好ましいですが、防犯対策として引っ越しの挨拶を避ける人も多いため、絶対にしなければならないと考える必要はありません。

特に一人暮らしをしている女性や若い方の場合、挨拶によって自分が一人暮らしであると周りに知らせることになり、防犯面でリスクがあります。近所の人と顔見知りになるメリットよりも、防犯面のデメリットが大きいと感じる場合は、引っ越しの挨拶を無理にする必要はありません。

また、引っ越し先の地域によっても、挨拶の必要性は変わります。都市部であれば、引っ越しの挨拶をしたこともされたこともない方は少なくありません。しかし、コミュニティが強い地域への引っ越しであれば、挨拶は習慣や礼儀と考えられているケースもあります。

単身世帯では挨拶しないケースも多いですが、家族でファミリー向けのマンションや子育て世代が集まる地域に引っ越すのであれば、挨拶するメリットも大きいです。挨拶して顔見知りになっておくと、コミュニティにすぐ馴染みやすいでしょう。

引っ越しの挨拶のタイミングや伝えるべきこと

引っ越しの挨拶は、相手に迷惑がかからないよう意識して行わなければなりません。引っ越しの挨拶をするタイミングや、伝えるべき内容などのマナーを確認しましょう。

旧居のご近所に引っ越しの挨拶をする場合

旧居のご近所に引っ越しの挨拶をする時は、引っ越す1週間以上前を目安に済ませるとよいでしょう。今後の引っ越し作業によって騒音や場所取りなどの迷惑をかけてしまうと伝えるのが、挨拶の主な目的だからです。

引っ越し作業で迷惑をかける可能性を伝えるとともに、今までお世話になったお礼も伝えましょう。挨拶のタイミングは、食事の時間を避けるために午後から夕方がおすすめです。

新居のご近所に引っ越しの挨拶をする場合

新居のご近所に引っ越しの挨拶をする時は、可能であれば引っ越し当日、荷物が届く前がおすすめです。引っ越し作業が始まって騒がしくなる前に挨拶すると、騒音トラブルを避けられるでしょう。

引っ越し作業前の挨拶が難しい場合は、引っ越し当日の作業が落ち着いたタイミングか、翌日でも問題ありません。食事の時間は相手が忙しい可能性が高いので、午前中に引っ越すなら午前10時以降、午後に引っ越すなら午後から夕方にかけて挨拶に行くようにしてください。

新居のご近所には、家族構成や生活スタイルなどで周りに迷惑をかける要素がある場合、挨拶時に伝えておくのがおすすめです。自分ならここが気になると感じるポイントを話しておくと、その後の付き合いがスムーズになるでしょう。

引っ越しの挨拶をすべき範囲

引っ越し先で挨拶すべき範囲は、一軒家かマンションかで異なります。それぞれのケースを解説するので、参考にしてください。

一軒家で挨拶する範囲

一軒家で挨拶する場合は、「向こう三軒両隣」といわれる範囲を目安にするとよいでしょう。自宅の向かい側3軒と、左右の隣2軒が対象となります。

一軒家の場合は近所付き合いが長期間にわたるケースも多く、町内会での付き合いも発生するため、しっかりと挨拶に伺うのがおすすめです。

マンション・アパートで挨拶する範囲

マンションやアパートで挨拶する範囲は、自分の部屋から見て上下左右の部屋です。

隣の部屋に住んでいる人とは顔を合わせる機会が多いため、挨拶しておくのがおすすめです。生活音のトラブルが起きた場合も、顔見知りであれば穏便に対処しやすいでしょう。

上下階の人とは顔を合わせる機会は少ないものの、足音などの騒音トラブルが発生しやすいため、挨拶しておきます。特に小さい子どもやペットがいる場合は、あらかじめ伝えておくのがおすすめです。

ただし、現代ではマンションやアパートに引っ越す場合、挨拶をしない方も少なくありません。特に単身世帯が集まる住居であれば、無理に挨拶をしなくてもよいケースもあります。

大家や自治会長への挨拶は場合による

引っ越し先の大家さんへの挨拶は、基本的に必要ありません。しかし、近所に住んでいる場合は挨拶しておくのもよいでしょう。引っ越し先の物件や設備について疑問があれば、挨拶したタイミングで確認できます。

引っ越し先の地域によっては、自治会長に挨拶したほうがよい場合もあります。挨拶に行ったタイミングで自治会の加入や活動状況について質問できるので、自治会長の家を近所の人や行政に聞いてみましょう。

引っ越しの挨拶の手土産や粗品の選び方

引っ越しの挨拶時には、お世話になった方やこれからお世話になる方に手土産や粗品を持っていくのもよいでしょう。どのように選べばいいかわからない方は、以下を参考にしてみてください。

引っ越しの挨拶で持っていく手土産や粗品の相場

引っ越しで渡す手土産や粗品は、一般的に1,000円前後が相場です。あまり高価なものを渡すと、相手がお返しするべきか迷ってしまうことがあります。相手に気を使わせない、気軽に受け取れる金額のものを選ぶようにしてください。

引っ越しの挨拶で渡すといい品物

引っ越しの挨拶で手土産や粗品を渡す時は、食品や日用品を選ぶのが一般的です。

食品であれば、お菓子やお茶、コーヒー、少量パックのお米などがよいでしょう。賞味期限が長いものを選ぶ配慮があると、相手も安心できます。

日用品を渡すなら、洗剤やタオル、ゴミ袋、ふきん、ラップ、ティッシュ、トイレットペーパーなどがおすすめです。消耗品であれば確実に使うため、喜ばれるでしょう。

日用品であっても、タオルなどはデザインによって好みが分かれるため、誰でも使えるようシンプルなものを選ぶのがおすすめです。また、置物や雑貨など、相手によって好みが分かれるものは避けましょう。

粗品や手土産ののしはどうする？

引っ越しの挨拶で渡す粗品には、必ず「のし」が必要なわけではありません。ただし、のしを付けると名前を覚えてもらいやすく、丁寧な印象を持ってもらえるメリットがあります。

のしを付ける場合は、品物を包んだ包装紙の上からのし紙をかける外のしにします。表書きは、旧居の挨拶では「御礼」、新居の挨拶では「御挨拶」にしてください。

引っ越しの挨拶で覚えておきたいポイント

引っ越しの挨拶の基本的なマナーを紹介してきましたが、これから挨拶を予定しているなら、知らないことが多いと不安に感じてしまうでしょう。ここからは、引っ越しの挨拶に関していくつか覚えておきたいポイントを紹介します。

相手が不在だった場合の対応

現代では一人暮らしや共働きの家庭も多いため、引っ越しの挨拶に行って相手が不在の場合もあるでしょう。2〜3回訪ねても相手が不在の場合は、挨拶の手紙を郵便受けに入れておくか、2〜3日後に改めて訪ねるようにしてください。

手土産が郵便受けに入らない場合はドアノブにかけてもいいですが、ドアノブに品物をかけられるのを快く思わない人もいるので注意が必要です。防犯などの理由で居留守を使う人もいるため、タイミングが合わなければ無理に挨拶をしなくても問題ありません。

挨拶時の服装

挨拶時の服装は、清潔感があり露出が少ない普段着で問題ありません。

引っ越し作業で汗をかいたり汚れたりした場合は、着替えて身だしなみを整えてから挨拶に行くと第一印象がよくなるでしょう。

なるべく家族全員で挨拶するのがマナー

引っ越し先で挨拶をする際は、できるだけ家族全員で行くとより良いでしょう。子どもを含め家族全員で挨拶に行けば、相手もどのような人が引っ越してきたかがわかるため、トラブル防止につながります。

ただし、家族全員が揃うのを待つと挨拶に行くのが遅れる場合は、1人で行っても問題ありません。3世代同居など人数が多い場合は、夫婦と子どもだけでよいでしょう。全員で行かない場合は、挨拶時に家族構成を伝えておくと安心です。

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まとめ

一人暮らしや都会へ引っ越す場合は、ご近所に挨拶をしないケースもあります。しかし、引っ越しの挨拶は周囲とのトラブル防止や安全確保につながるため、基本的にはするのがおすすめです。マナーを守って挨拶して、良好な関係を築いた状態で新生活をスタートさせましょう。

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