プロパンガスと都市ガスの違いを解説!メリット・デメリットや料金の特徴もチェック
ガス住宅で使用できるガスは、主にプロパンガスと都市ガスの2種類です。供給エリアが異なるため、引っ越す前にそれぞれの特徴を理解した上で選ぶ必要があります。
この記事では、プロパンガスと都市ガスの違いを解説します。メリットやデメリットのほか、料金の違いも紹介した上でどちらがどのような人におすすめか説明するので、ガスの見直しに役立ててください。
プロパンガスと都市ガスの違いを特徴ごとに比較
現在、多くの日本の家庭ではプロパンガスか都市ガスが使われています。しかし、普段それぞれの違いを意識する機会は少ないでしょう。まずは、プロパンガスと都市ガスの違いを比較します。原料・主成分・重量
プロパンガスと都市ガスは、原料が異なります。プロパンガスの原料は液化石油ガス(LPG)で、主成分はプロパンやブタンです。一方、都市ガスの原料は液化天然ガス(LNG)で、主成分はメタンであるため、プロパンガスとは性質が違います。いずれの原料も本来無色で無臭ですが、ガス漏れ時に気付けるよう、においをつけてあるのが特徴です。
プロパンガスと都市ガスは、重量も異なります。プロパンガスは空気より重く、ガスが漏れると部屋の下にたまるため、ガス漏れ警報器は床付近に設置されるのが基本です。それに対し、都市ガスは空気より軽く、ガスが漏れると天井付近にたまるので、ガス漏れ警報器は天井付近に設置されます。
供給方法と供給エリア
プロパンガスと都市ガスは、供給方法が異なります。プロパンガスは、LPガスが入ったボンベを事業者が契約者の家庭まで配送する形です。ガス切れにならないよう、定期的にボンベが供給されます。
一方、都市ガスは道路の下にあるガス管を通じて供給されるのが特徴です。ガス会社がガスタンクを設置して液化天然ガスを貯留し、ガスタンクに接続されたガス導管を通じて各家庭に届けられます。
供給エリアも、プロパンガスと都市ガスの大きな違いです。プロパンガスは全国で幅広く供給されていますが、都市ガスは地下の導管設置に膨大な費用がかかるので、人口の多い都市部でのみ供給されています。
都市ガスが供給されているエリアは、国土面積の6%ほどしかありません。プロパンガスから都市ガスに切り替えたい場合は、供給エリアを調べる必要があります。
熱量(火力)
都市ガスの発熱量は、大手都市ガスの場合1 立方メートルあたり45MJ(10,750kcal)であり、プロパンガスの発熱量は全国どこでも一定で、99MJ(24,000kcal)です。
プロパンガスの原料であるプロパンやブタンは、熱量が高く火力が強いという特徴があります。一方、都市ガスの原料であるメタンはプロパンやブタンより熱量が低く、火力が弱いのが特徴です。火力が2倍ほど異なるので、プロパンガスは都市ガスに比べてガスの使用量が半分程度で済みます。
とはいえ、実際に自宅でガスを使用する際、火力の違いを感じることはほとんどありません。同じ家庭用のガス機器を使えば、どちらのガスでも火力はほぼ同じです。
プロパンガスと都市ガスの料金の違いを比較
プロパンガスと都市ガスは、ガス料金にも違いが見られるため、それぞれの1ヶ月あたりのガス料金を比較しましょう。
以下の表は、一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターが公表している東京都のプロパンガスの月別料金と、東京ガスの一般契約の料金です(いずれも2024年6月時点)。
1ヶ月あたりのガス使用量 | プロパンガス | 都市ガス(東京ガス) |
---|---|---|
5立方メートル使用 | 5,047円 | 1,633.35円 |
10立方メートル使用 | 8,245円 | 2,507.70円 |
20立方メートル使用 | 14,489円 | 4,256.40円 |
50立方メートル使用 | 32,100円 | 9,057.00円 |
出典:一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター「LPガス月別」
出典:東京ガス「ガス料金表(家庭用/業務用・工業用 共通)」
2024年6月時点で、東京都のプロパンガス基本料金は1,904円です。東京ガスの6月の基本料金は、0〜20立方メートルまでが759円、〜80立方メートルまでが1,056円でした。
プロパンガスも都市ガスも、使用量に応じた従量料金を基本料金に加えることで、月々のガス代が決まります。プロパンガスの従量料金単価は、5立方メートル使用時は628.6円、10立方メートル使用時は634.1円、20立方メートル使用時は629.25円、50立方メートル使用時は603.92円です。
一方、東京ガスの従量料金単価は、2024年6月検針分で0〜20立方メートルまでが174.87円、20〜80立方メートルまでが160.02円でした。基本料金も従量料金も都市ガスよりプロパンガスのほうが高いため、月々のガス代はプロパンガスのほうが高くなります。
プロパンガスのメリットとデメリット
プロパンガスのメリットとして、災害時に強い点が挙げられます。都市ガスの場合、ガス管が壊れると復旧までに時間がかかりますが、プロパンガスは予備のボンベや設備があればガスの供給が可能です。
プロパンガスのもうひとつの大きなメリットは、全国どこでも利用可能である点です。さらに、プロパンガスはガス管を引き込む工事も不要なので、高額な初期費用がかかりません。
一方、プロパンガスのデメリットは、利用料金が高いことです。基本料金も従量料金も都市ガスより高いため、月々のガス代が高くなりやすく、出費がかさみます。
都市ガスのメリットとデメリット
都市ガスのメリットは、まず料金が安いことです。供給量が安定しているため、プロパンガスより大幅にガス代を抑えられます。また、都市ガスは燃焼時の二酸化炭素排出量が少なく、地球環境にやさしいエネルギーという点もメリットです。
都市ガスのデメリットは、供給エリアが限られていることです。ガス代を抑えるために都市ガス供給エリアに引っ越そうと思っても、都市の一部にしか対応していないため、引っ越し先が見つからない場合もあります。
また、都市ガスを供給している地下の導管が破損した場合、復旧に時間がかかることがあります。使いはじめる際は引き込み工事が必要で、10万円前後の初期費用がかかるのもデメリットです。
プロパンガスと都市ガスはどちらがおすすめ?
プロパンガスと都市ガスはそれぞれに異なるメリットやデメリットがあるため、どちらが自分に合うかを考えて選ぶのが大切です。プロパンガスがおすすめな人と都市ガスがおすすめな人、それぞれの特徴を解説します。
プロパンガスの利用がおすすめな人
プロパンガスは都市ガスよりもガス代が高くなりますが、都市でなくても供給されるため、家賃が安いエリアでも契約できます。家賃が安いエリアに住めば、ガス代が高くても総合的な出費を抑えることが可能です。
また、プロパンガスは災害時の復旧が早いため、万が一の事態に備えたいならプロパンガスがおすすめです。引き込み工事も不要なので、高額な初期費用に抵抗がある人にもプロパンガスが向いているでしょう。
都市ガスの利用がおすすめな人
都市ガスは初期費用がかかるものの、月々のガス代を大きく抑えられるため、長期的に光熱費を節約したい人におすすめです。
また、都市ガスを利用すれば家の敷地内にガスボンベを置く必要がないため、景観にこだわる人にも都市ガスが向いています。特に敷地が限られている都市部では、ガスボンベを置かなくていいという都市ガスのメリットは大きいでしょう。
auでんきとガスをまとめると、いつものガス料金がおトクに!
毎月のガス代が高いと感じ、ガス契約の見直しを考えている方もいるでしょう。そんな方におすすめなのが、auでんきと都市ガスのセット契約です。
auでんきは、毎月の電気料金※に応じてPontaポイントが還元されるため、ポイントをためやすいというメリットがあります。たまったPontaポイントは1ポイント=1円相当で買い物などに利用できます。
さらに、auでんきとガス for auをセットで契約すると、毎月のガス料金の一部分のPontaポイントが還元されます。電気とガスの請求を一本化できるため、お金の管理もスムーズにできるのもメリットです。
- (全国または関西・九州エリア)基本料金(または最低料金)および電力量料金の合計額(税抜き)が対象となります。
(北海道・東北・東京・中部・北陸・中国・四国)地域の電力会社の重量電灯相当です。電気料金に含まれる燃料調整額の上限金額を廃止しております。
現在上限金額がある電力料金プランをご利用の場合、切り替えにより電気料金が高くなる場合があります。
毎月の請求も一目でわかる
ガス for auとauでんきをセットで契約すれば、毎月の利用料金の請求をまとめることが可能です。電気やガスの他にも、auスマホやauひかりなど各種auサービスの請求をまとめられるため、月々の出費が一目でわかります※1。
さらに、auでんきも契約している場合、電気料金だけでなくガス料金も「auでんきアプリ」で確認できます※2。請求金額が一目で確認できるので、節約にも役立てやすいでしょう。
- お客様のご契約状況によっては請求がまとまらない場合があります。
- でんきのご契約が無い場合は、auでんきアプリをご利用いただけません。
簡単な申し込みで切り替えられる
ガス for auは、面倒な手続き不要で切り替えられるのもメリットです。au IDでログインし、個人情報を確認するだけの2ステップで申し込みが完了します。
初期費用や切り替え費用はかからず、工事も不要です。現在契約しているガス会社への連絡も不要なので、忙しい人も利用しやすいでしょう。
まとめ
プロパンガスと都市ガスは、供給エリアや料金に大きな違いがあり、どちらを選ぶべきかは人によって異なります。どちらを選べば自分の満足度が高まるかを考えた上で、それぞれの供給エリアをチェックしましょう。
ガス料金が高いと感じているなら、ガスの見直しを検討するのもおすすめです。「ガス for au」なら月々のガス代を抑えやすく、auでんきとセットで契約すればPontaポイントもたまりやすいため、長期的に見て節約につなげられます。