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プロパンガスの料金は高い?高くなる4つの理由と安くする方法を解説

ガス

プロパンガスを使っており、毎月のガス料金が高いと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

プロパンガスは、一般的に都市ガスと比べてガス料金が高くなる傾向があります。ガスは毎日使うものであるため、家計への影響は小さくありません。

この記事では、プロパンガス料金の平均や、プロパンガスの料金が高い理由、安くする方法を解説します。プロパンガスの料金を下げたい方や都市ガスへの切り替えができるか気になる方は、ぜひ最後までお読みください。

プロパンガスの料金は高い?

最初に、自宅のプロパンガスの料金が相場と比べて高いか気になっている方に向けてプロパンガス料金の平均を紹介します。

なお、プロパンガスの料金は割高な傾向があり、自身のガス料金がここで紹介した平均と比べて高くなくても、適正料金とは限りません。プロパンガスの料金が高くなる理由について、詳しくは後述します。

【エリア別】プロパンガス料金の平均

エリアごとのプロパンガスの平均価格(令和5年度2月)は、それぞれ以下のとおりでした。

エリア 5m3(1~2人暮らし) 10m3(3人暮らし~)
北海道 6,796円 11,151円
東北 5,910円 9,834円
関東 5,167円 8,448円
中部 5,543円 9,001円
近畿 5,394円 8,710円
中国 5,873円 9,451円
四国 5,463円 8,843円
九州 5,503円 8,912円
沖縄 5,524円 9,174円

出典:一般財団法人日本エネルギー経済研究所 石油センター「LP(プロパン)ガス 確報(偶数月調査)

【エリア別】ガス料金(都市ガスを含む)の平均

次に、ガス料金(都市ガスを含む)の平均をエリアごとに紹介します。

エリア ガス料金(都市ガスを含む)の平均
北海道 3,930円
東北 3,678円
関東 4,887円
北陸 3,864円
東海 5,017円
近畿 5,046円
中国 3,636円
四国 3,559円
九州 3,787円
沖縄 3,809円

上記の結果は年間平均であり、実際は季節によってガス料金に差が生じます。また、世帯人数によって使用量に違いが生じるため、単純に比較できませんが、プロパンガス料金の平均と比べて低めであることがわかります。

出典:総務省「家計調査 家計収支編(2023年)

プロパンガスが都市ガスと比べて高い理由

「プロパンガスは高い」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。プロパンガスと都市ガスは料金の決まり方に違いがあり、プロパンガスのほうが高くなる傾向があります。主な理由は、以下のとおりです。

  • ガス会社が自由に料金を設定できる
  • 供給コストが高い
  • 価格競争が生じにくい
  • ガス供給とは関係ない設備費が上乗せされている場合がある

ガス会社が自由に料金を設定できる

プロパンガスは自由料金制であり、法律による料金の規制がありません。明確な適正価格がなく、各プロパンガス会社が自由に料金を設定するため、プロパンガス会社ごとの料金の差が大きい傾向があります。

また、原油価格の変動などに応じて料金が変わるため、同じプロパンガス会社でも契約した時期や交渉によっても料金に差が生まれます。

一方、都市ガスは従来、「総括原価方式」(能率的な経営のもとにおける適正な原価に適正な利益を加えて料金を算定する方式)によってガス料金を設定し、経済産業省の認可を受けなければなりませんでした。

2017年のガス自由化によって都市ガスにも自由料金制が導入されましたが、これまで法律による規制があったことから現在もガス会社ごとの料金差はあまりなく、比較的安定しています。

供給コストが高い

都市ガスと比べて供給コストがかかるのも、プロパンガスの料金が高くなる原因のひとつです。

プロパンガスは、配送員が各消費者にガスボンベを配送して供給する仕組みです。そのため、配送費用やガスボンベの点検・検針などの人件費、供給設備の設置費用などの供給コストがかかります。

プロパンガスの料金にはこれらの供給コストが反映されるため、都市ガスと比べて高くなる傾向があります。

なお、都市ガスはプロパンガスとは違い、地中に埋められたガス管を通って消費者に届けられる仕組みです。

価格競争が生じにくい

プロパンガスの料金が高くなる背景には、プロパンガス業界が安売りによる顧客の奪い合いを避けてきたことも挙げられます。

プロパンガス業界では、価格競争が起こらないように歩調を合わせ、比較的割高な料金が維持されてきました。

また、プロパンガスは都市ガスが自由化される前から自由料金制であるにもかかわらず、それを知らない消費者も少なくありません。

その結果、ガス料金が高いと感じていながらも、複数のプロパンガス会社を比較しない消費者や長年同じプロパンガス会社と契約し続ける消費者が多く、価格競争が起こりにくい要因のひとつとなっています。

ガス供給とは関係ない設備費が上乗せされている場合がある

賃貸物件では、プロパンガス会社が賃貸物件のオーナーに様々な物を無償貸与し、その金額が入居者のガス料金に上乗せされる場合があります。これは、プロパンガス会社が契約を獲得するために昔から続いてきた慣行です。

無償貸与されている設備には、給湯器やガスコンロだけでなく、エアコン、インターホン、Wi-Fi機器など、ガス供給とは関係のないものも含まれます。

無償で貸与されると、賃貸物件のオーナーは設備費用を負担する必要がなくなりますが、その分入居者のガス料金が高くなってしまうことが問題視されてきました。

ただし、こうした現状を改善するため、入居希望者が賃貸契約を締結する前にガス料金を提示するなど、消費者を守るための法整備が進められています。

プロパンガスの料金の決まり方

プロパンガスの料金の仕組みを理解するために、計算方法や内訳を知っておきましょう。

多くのプロパンガス会社で採用されている料金体系は、毎月のガス料金が「基本料金」と「従量料金」の合計で決まる「二部料金制」です。

基本料金 ガスの使用量にかかわらず、毎月固定で支払う費用
従量料金 ガスの使用量に応じてかかる費用

基本料金は、プロパンガスを供給するための設備維持管理にかかる費用で、ガスボンベやメーターなどの設備費用や検針・保安費用などで構成されます。

一方、従量料金はガスの原料費や配送費などに充当する費用です。従量単価(1m3あたりの料金)にガスの使用量を乗じて算出されます。

毎月のガス料金=基本料金+従量単価×1ヶ月間のガス使用量

なお、プロパンガスの料金体系には、二部料金制の他にも三部料金制や最低責任料金制などがあります。

三部料金制 基本料金+従量料金+設備利用等料金の3つで構成される料金体系
最低責任料金制 一定の使用量(最低使用量)までは使用量にかかわらず料金が固定されており、一定の使用量を上回るとその超えた使用量に応じて料金が加算される料金体系

プロパンガスと都市ガスの従量単価を比較

プロパンガスの従量単価は、都市ガスと比べて高い傾向があります。

ガスの種類 従量単価
プロパンガス 665.30円/m3※1
都市ガス 203.05円/m3※2
  1. 石油情報センター「一般小売価格 液化石油(LP)ガス」全国(20m3価格-10m3価格)より算出(2024年8月31日)
  2. 都市ガス会社 全国平均(2024年8月)

ただし、プロパンガスの発熱量は都市ガスの2倍以上であるため、ガスを同じように使った場合、使用量はプロパンガスのほうが少なくなります。そのため、従量単価だけでは比較できません。

プロパンガスの料金を安くする方法

ガス料金は毎月必ず発生するものであり、家計への影響も少なくありません。特に、プロパンガスは料金が高くなりやすいため、負担に感じている方もいるでしょう。そこで、プロパンガスの料金を下げる方法を紹介します。

  • ガス会社を切り替える
  • 契約中のガス会社に値下げを交渉する
  • ガスの使い方を見直してガス料金を節約する

ガス会社を切り替える

プロパンガスの料金が高いと感じている方は、今よりも料金設定が安いガス会社への切り替えを検討しましょう。

プロパンガスには供給地域や料金の規制がなく、消費者が自由にガス会社を選択できます。料金設定はガス会社によって差があるため、複数のガス会社を比較・検討することが大切です。

ただし、アパートやマンションなどの集合住宅では、大家さんや管理会社がガス会社との契約を決定する権利を持つため、入居者が自由にガス会社を切り替えることができません。大家さんや管理会社の同意が得られれば変更できるため、一度相談してみるとよいでしょう。

契約中のガス会社に値下げを交渉する

プロパンガスの料金は、各ガス会社が自由に設定しているため、交渉すれば値下げしてもらえる可能性があります。

交渉の際は、あらかじめお住まいの地域の相場を調べておくのがポイントです。また、ガス会社の切り替えを検討している旨を伝えると、交渉が良い方向に進みやすいでしょう。

ただし、交渉したからといって値下げに応じてもらえるとは限りません。

ガスの使い方を見直してガス料金を節約する

集合住宅に住んでいるなどの理由で値下げやガス会社の切り替えが難しい場合は、ガスの使い方を見直して使用量を減らせば、ガス料金を節約できます。

お風呂やキッチンを使う際、以下のポイントに気をつけてみましょう。

項目 節約のポイント
お風呂
  • お湯の設定温度を上げすぎない
  • 追い炊き機能の使用を減らす
  • シャワーを流しっぱなしにしない
  • 節水シャワーヘッドを使用する
  • お湯の量やお湯をためる回数を減らす
キッチン
  • 食器を洗う時に温度を上げすぎない
  • 鍋底の水分をよく拭いてから火にかける
  • 鍋底から火がはみ出さないように火力を調整する
  • 食材を下ごしらえする際に電子レンジを活用する

プロパンガスから都市ガスへの切り替えは可能?

プロパンガスの料金が高く、都市ガスに変更したいと考えている方もいるのではないでしょうか。持ち家の場合、近くにガス導管が通っており、引き込み工事ができれば、プロパンガスから都市ガスへの変更が可能です。

ガス料金はエリアやガス会社、ガスの使い方などによって変わってくるため、一概には言えませんが、ご家庭の使用状況に応じて都市ガス会社やプランを選べばガス料金を抑えられる可能性があります。

一般的な切り替えの流れは以下のとおりです。

  1. 都市ガス会社に見積もりを依頼する
  2. 都市ガス会社に申し込む
  3. プロパンガスを解約する
  4. ガス導管の引き込み工事を行う

工事の費用に関して、道路部分はガス会社の負担となりますが、敷地内は利用者が負担します。なお、工事にかかる期間は通常1日程度です。

プロパンガスを解約する際に違約金がかかる場合もあるため、あらかじめ確認した上で切り替えましょう。また、賃貸物件や集合住宅に住んでいる場合は、ご自身で自由に都市ガスへ変更することはできません。

auでんきと都市ガスをまとめると、いつものガス料金がおトクに!

都市ガスに変更するなら、電気もあわせて見直しましょう。

auでんきは、毎月の電気料金に応じてPontaポイントが還元されるため、ポイントをためやすいというメリットがあります。たまったPontaポイントは1ポイント=1円相当で買い物などに利用できます。
さらに、auでんきと「ガス for au」をセットで契約すると、毎月のガス料金の一部分のPontaポイントが還元されます。電気とガスの請求を一本化できるため、お金の管理もスムーズにできるのもメリットです。

  • (全国または関西・九州エリア)基本料金(または最低料金)および電力量料金の合計額(税抜き)が対象となります。
    (北海道・東北・東京・中部・北陸・中国・四国)地域の電力会社の重量電灯相当です。電気料金に含まれる燃料調整額の上限金額を廃止しております。
    現在上限金額がある電力料金プランをご利用の場合、切り替えにより電気料金が高くなる場合があります。

毎月の請求が1本にまとまる

「ガス for au」を利用すると、auでんきやauスマホなど各種auサービスの請求とガス料金の請求をまとめられます

また、auでんきとセットでご契約いただいている場合、電気とガスの請求を「auでんきアプリ」で確認できます。一目で請求額を把握できるため、節約にも役立てやすいでしょう。

  • お客様のご契約状況によっては請求がまとまらない場合があります。

簡単な申し込みで切り替えられる

「ガス for au」は、面倒な手続き不要で切り替えられます。

au IDでログインし、個人情報を確認するだけの2ステップで申し込みが完了するため、手間がかかりません。初期費用や切り替え費用がかからず、工事も不要です。

ご契約中のガス会社への連絡も不要なので、忙しい人にもご検討いただけます。

まとめ

プロパンガスは、各家庭にガスボンベを配送して供給するため、都市ガスと比べて供給コストが高い傾向があります。また、価格競争が十分に行われていないこともプロパンガスの料金が高くなりやすい理由のひとつです。

プロパンガスの料金は各プロパンガス会社が自由に設定しているため、ガス料金を抑えたい方は値下げ交渉やプロパンガス会社の切り替えを検討しましょう。

また、ガス導管が通っている地域では、プロパンガスから都市ガスへの切り替えも可能です。都市ガスは2017年の自由化によって様々なプランが登場しているため、ご家庭にあわせて選ぶとガス料金を抑えられる可能性があります。

都市ガスに変更する際は、電気とのセットでおトクに利用できる「ガス for au」をご検討ください。