台湾は、短い日数でも満喫できる近さや手軽も大きな魅力。渡航歴は80回以上という今野さんに、身近だからこそ見落としがちな、持ち物や過ごし方のコツを聞いてみました。
今野さん流、理想の3泊4日の過ごし方
私が台湾に行くときは山の上にある茶畑などにも足を運ぶので、滞在は10日間ほどと長め。茶畑と史料収集のため、ほぼ仕事のみ、遊ぶ時 間はなかなかありませんが、もし、台湾を満喫するなら、やはりグルメ旅がオススメですね。ここでは、皆さんが旅行で訪れた際に参考に しやすい、市内での3泊4日の理想的な過ごし方を中心にご紹介します。また、備えがあると旅行がさらに良い思い出に。台湾は夏が長く11 月まで暑いので、快適な旅行をサポートする便利なアイテムとともに、台湾の魅力をご紹介します。
ローカル気分で、野菜たっぷりのヘルシーランチを
台湾に着いたらまずはしっかりと虫除け対策をしてから茶畑へ直行し、農家の人と一緒にお茶作りに励みます。お昼ごはんは、町のお弁当屋さんが運んできてくれるお弁当を。実はお弁当屋さんは市内にたくさんあるのでぜひ一度試してみて。メインのほかに、種類豊富なおかずから3つを選べるシステムで、なにを食べてもとっても美味しい!店内で食べても良いし、テイクアウトにしてホテルでゆっくり食べても。台湾は菜食主義者が多いので、菜食専門のお弁当屋さんも。
オススメアイテム:虫除け
活気あふれる昼市で、台湾ならではの味を堪能
農家さんのもとで数日過ごした後、山から降りてまず向かうのは昼市。私は大安駅からすぐのところにある市、「信維夜市」によく行きます。夜市と言っても、昼間からやっている市場です。美味しそうなものばかりで目移りしますが、よく食べるのがこのジャージャー麺。麺は自家製の手打ち麺で、暑いときでもするっと食べられます。夜市は台湾観光のなかでも人気ですが、明るいうちでも、市の賑やかな雰囲気は充分楽しめますよ!
オススメアイテム:胃薬
歴史ある街並みを散策。ひと休みには絶品スイーツを
1日使える日は、台北駅のすぐ裏手にある「迪化街(テキカガイ)」へ。今は乾物の問屋街になっていますが、もともとは貿易拠点の港町として栄え、製茶工場が立ち並ぶ、台湾茶の歴史が息づく街。私は研究用の資料集めや茶業の商工会議所に赴くため、台湾を訪れた際は必ず迪化街に行きます。お茶請け用のドライフルーツを買ったり、疲れたら甘いもので休憩したり。数あるスイーツのなかでもイチ押しは杏仁豆腐。日本ではつるんとしたゼリー状のものが一般的ですが、本場のはとろっとろなんですよ!やみつきになる美味しさです。
オススメアイテム:エコバッグ
美しい夜景と美味しいお茶で、とっておきの贅沢な時間を
旅行の最終日はのんびり過ごしたいですよね。「九份(キュウフン/ジュウフェン)」の街並みが一望できる茶藝館がオススメです。賑やかな市内にいるとつい忘れがちになるのですが、台湾は周囲を海にかこまれた島。九份は少し高台にあるので、その姿をどこからでも観ることができます。また、夕方からは人通りが少なくなるので、九份の美しい街並みをゆっくり楽しめますよ。台湾の海と街並みを眺めながら、ゆっくりとお茶をいただくひとときは旅のよい思い出になると思います。
オススメアイテム:サンダル
“すぐ行けるアジア”ということで、なんとなく日本と似ているように思いがちですが、実際はかなり暑くて雨も多め。台湾の独特な気候に合った準備をきちんとしておくことが、快適な台湾旅のポイントですね!
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懐 紙
さりげなく日本の文化を見せられるのが良いので、いつも持っていきます。市場で買った食べ物を包みたいときや、みんなで分けるときの取り皿、食べ歩きで出たごみの包み紙と、用途はたくさん。言葉が通じるか不安という人は、現地の人との筆談用メモにも良さそうです。
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日焼け止めスプレー
マンゴーやバナナなどの南国フルーツが美味しいくらいなので、日中の日差しはかなりのもの。日焼け止めはスプレータイプなら、外出先での塗り直しも手が汚れずラク。
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粉末タイプのスポーツドリンク
台湾は1年を通して暑く、日中の日差しも強め。街歩きだけだからと油断せず、熱中症対策は万全に!ただ、現地でスポーツドリンクを買うとやや割高なので、私は粉末タイプのものを日本から持参。ホテルの部屋に備え付けてある水などに溶かし、常に持ち歩くようにしています。
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エコバッグ
台湾のスーパーやコンビニでは、買った商品を入れるビニール袋はすべて有料なんです。ムダな出費を抑えるためにも、買い物袋は日本から持参しましょう。
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虫除け
高温多湿な気候のためか、蚊が多いので要注意。11〜12月でも刺されることがあるので、冬場でも必ず準備しましょう。刺されてしまったときに備えて、かゆみ止めがあればカンペキ。
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トゥセパレーター
台湾は街歩きが楽しいので、知らず知らずのうちにかなりの距離を歩くことに。ホテルに戻ったら、足の疲れをとるグッズで念入りにケアを。むくみの解消にもなります。
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サンダル
台湾で多くの人がサンダルを履いているのは、年間を通して雨が多い気候が関係しています。ちゃんとした靴を履いても雨ですぐ濡れてしまい、乾きづらく重たくなってしまいます。濡れてもかまわない(乾かす必要のない)サンダルがあると安心です。
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胃薬
台湾に来たら必ずやりたいのが食べ歩き。明日もあるし、と思いながら、つい食べ過ぎてしまいます。胃薬は現地でも買えますが、私は自分の体に合うものを日本から持参しています。
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茶杯と茶葉
短いフライトとはいえ、行くまでの時間も快適に過ごしたいもの。なので機内には自分がリラックスできるものを持っていくといいと思いますが、私にとってそれはお茶。機内食が運ばれるときにお湯をもらって、機内でもお茶を楽しんでいます。大好きな味と香りで、とてもリラックスできるんです。
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靴下
機内は意外と冷えるので、重ね履き用の靴下を常備。五本指タイプのものなら、冷えだけでなくむくみ防止にも。滞在中には、急に寒くなったときの防寒アイテムとしても活躍するので、ひとつ用意しておくと良いですよ。
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1日分のスキンケアセット
以前、飛行機が飛ばずに成田泊になったことが。こういう場合、宿は用意されますが、一度預けた荷物は戻してもらえないんです。それ以来、万一に備えて手荷物には1日分の化粧品を必ず入れておくようにしています。
楽しい旅行にもトラブルはつきもの、
これから台湾に行く方にアドバイスお願いします。
旅行中はあちこちと出かけたくなるもの。夜の外出でも帰りはタクシーを使えば安全なはず!と考えている人もいるかもしれませんが、タクシーだから絶対に安心と油断するのはやめましょう。現地の友達でも「夜の外出には気をつけている」とのこと。私も実際、夜道で危険と思いタクシーを利用したところ、伝えた目的地と違う人気の少ないところに連れて行かれ、不審に思ってすぐにタクシーから下りた経験があります。台湾の人たちがとても親切なのは確かですが、だからといって悪い人がまったくいないわけではありません。海外だということを忘れず、とくに夜間の外出は慎重な行動を心がけてくださいね。
今野 純子(こんの じゅんこ)さん
大学3年時に初めての海外旅行で中国を訪れ、旅の途中で出会った中国茶の世界に魅了される。2012年に、中国の国家資格である「中国高級茶芸師」の資格を取得。2014年には、同じく中国国家資格で聞き茶師の最高峰である「中国高級評茶師」の日本人初の合格者となる。現在は大学院史学科で中国茶の歴史を研究するかたわら、自宅サロンで「中国&台湾茶教室 Tea Salon Xingfu(シンフー)」を主宰。“日中台の懸け橋”をモットーに、より中国茶・台湾茶を身近に感じてもらうための活動に尽力している。