2022 SUPER GT REPORT 第6戦 スポーツランドSUGO
2022 SUPER GT REPORT
第6戦 スポーツランドSUGO < 予選 >
2022年9月17日(土) 来場者:8,300名
天候:曇り時々晴れ
第5戦まで全戦でポイントを獲得しているTGR TEAM au TOM'S 36号車は、第6戦の舞台スポーツランドSUGOの練習走行で快走を見せ、持ち込みのセッティングが良好であったことが確認できた。坪井 翔からジュリアーノ・アレジへ、コース幅が比較的狭いSUGOで、GT300クラスのオーバーテイクの経験を積むべく、アレジが37周をラップ。坪井と同等のラップタイムを記録し、予選に期待が持てる練習走行であった。予選は坪井がQ1を担当してコースイン。ところが、エンジンのパワーがダウンしてしまう症状が出て、そのままピットイン。データのチェックを行って再度コースインしたが状況は変わらず、そのまま再びピットインし、タイムを計測できずに予選を終えるしかなかった。
- ・ 36号車は、23.5点を獲得しており、ポイントランキング7位。サクセスウエイトは47kg。
- ・ アップダウンがあるコースレイアウトのSUGOでは、ウエイトエフェクトは免れないが、練習走行におけるトップタイムは坪井によって記録されていた。
- ・ 坪井は19周走行してアレジに交替。アレジも坪井と同等のタイムを記録しており、予選において上位グリッド獲得の期待が高まっていた。
- ・ 予選が開始されて、Q1を坪井が担当した。
- ・ コースインしてタイヤのウォームアップを開始しようとしたが、エンジンにパワーが感じられず、坪井は1周することなくピットへマシンを向けた。
- ・ ピットでデータをチェックし、エンジン周辺を視覚的にチェックして再びピットアウト。
- ・ しかし、エンジンの症状は全く変わらず、再度ピットへ戻ってくるしかなかった。タイム計測はできずに予選が終わった。
Driver | Car No. | Qualifying 1 | Qualifying 2 | ||
---|---|---|---|---|---|
坪井 翔 | 36 | - |
|
- |
|
ジュリアーノ・ アレジ |
天候 | 気温 / 路面温度 |
---|---|
曇り時々晴れ | 26℃〜24℃ / 31℃〜31℃ |
坪井 翔 36号車ドライバー
「走り出したら午前中までのマシンの状態とは全然違って、パワーが出ない。NAエンジンのようになってしまっていました。練習走行は走り出しからすごく調子が良くて、あの段階から1分11秒が出せていたので、Q1通過は確実だと思っていました。GT500クラスだけの占有走行帯は、ジュリアーノに走ってもらって、そこでのタイムも11秒台で良かったですね。そこまでは予定通りというか、決勝での作戦も考えていたのですが、トラブルでノータイムは残念でした。優勝は無理だと思いますが、精一杯追い上げてポイントをゲットしたいです。」
ジュリアーノ・アレジ36号車ドライバー
「練習走行でロングランをさせてもらって、マシンのフィーリングはとても良くて、自信を高めることができたと思っている。しかし、一発のタイムを出しに行った時にはまだミスすることがあって、まだまだ頑張らなくてはならない。占有走行帯でも走行させてもらって、そこでも好タイムを出せているので、マシンの調子がすごく良いことはわかっていた。それだけに、予選を走れなかったことがすごく残念。最後尾からなので、順位を上げることだけを考えれば良いから、戦略をうまく組み立てて、できるだけ多くのポイントを獲得して、レースを終えたい。『頑張るしかない!』」
吉武 聡 36号車エンジニア
「トラブルの原因、詳細はわからないのですが、ターボチャージャーのウエイストゲートが誤作動してしまったようです。SUGOへの持ち込みセッティングが良くて、練習走行では予定していたメニューをこなし、速かっただけに残念ですが、トラブルの発生はしょうがないですね。ジュリアーノには周回数を多めに走ってもらい、比較的コースの狭いSUGOでGT300クラスのパスを勉強してもらいました。タイムも良かったので、トラブルさえなければ、Q2進出は確実だと思っていました。決勝は最後尾からですから、戦略で順位を上げるしかないですね。」
伊藤 大輔 36号車監督
「我々には如何ともし難いトラブルが発生してしまいました。多分ターボチャージャーにトラブルが発生してしまっているのではないかと思われます。ピットイン、ピットアウトを二回繰り返しただけなので、計測できずノータイム。なぜターボが作動してくれなかったのか・・・。練習走行がとても好調だったのでQ1突破は確実だと思っていました。残念ですね。ジュリアーノがGT500でのSUGOは初めてなので、練習走行でかなり周回してもらってGT300のパッシングにも慣れてもらい、ロングランのパフォーマンスの低下も感じてもらってます。最後尾からどれだけ追い上げられるか、戦略面で補って上位を目指したいと考えています。」
2022 SUPER GT REPORT
第6戦 スポーツランドSUGO < 決勝 >
2022年9月18日(日) 来場者 : 17,000名
天候 : 曇り時々雨
台風14号の影響が東北の地、スポーツランドSUGOにも及んだ。スターティンググリッドに向かう時に雨がパラついたがすぐに止み、決勝は曇り空の下でドライコンディションのままスタートが切られた。予選ノータイムのため最後尾からのスタートであったが、1周目にポジションアップ。その後も果敢に上位を目指して周回を重ねていた12周あたりから小雨が降り始め、すぐに本降りとなり、コースはウエットへ変化した。その後一旦雨は止み、また降り始める状況が繰り返され、とても難しいコンディションとなった。最初の降り出しでスリックタイヤからレインタイヤへ交換するチームが多かったが、36号車は困難なコンディションをスリックで走行し、一時は3位を走行。より雨が強くなった状況で、レースの3分の1を消化していたのでドライバー交替。レインタイヤでコースイン、その後路面が乾いてきたので再度スリックタイヤに交換して9位フィニッシュ。しかし、ペナルティの対象となって10位で第6戦を終えた。
- ・ 坪井 翔がスタートドライバーを担当した。
- ・ 1周目に14位へ。4周目に13位へポジションアップ。
- ・ 12周目あたりから雨が降り始め、上位グループがスリックタイヤからレインタイヤへ交換。しかし、36号車はウエット路面を、スリックのまま走行継続を決定。難しい路面状況の中、一気に順位アップ。さらに雨が強まるまでは一時3位まで上り詰めた。
- ・ スリックタイヤのままでの走行は困難となった状況が、ちょうどドライバーの義務周回数に近かったのでピットインを指示し、ジュリアーノ・アレジに交替。タイヤはレインタイヤへ。
- ・ 残り3分の2を託されたアレジは、トップグループと同等のタイムで周回。やがて雨は止み、路面が乾き始めてスリックタイヤに交換。そこから2度のチャンピオンに輝く山本尚貴選手とバトルを展開しながら8位を走行。最終ラップにパスされて9位。
- ・ レース後、黄旗区間の追い抜きがあったとして、タイム加算のペナルティを受けて10位となった。
Driver | Car No. | Race Result / Fastest Lap | |
---|---|---|---|
坪井 翔 | 36 | P10 |
|
ジュリアーノ・ アレジ |
天候 / 路面 | 気温 / 路面温度 |
---|---|
曇り時々雨 / ドライ-ウエット-ドライ | 27℃〜25℃ / 33℃〜28℃ |
坪井 翔 36号車ドライバー
「難しいレースでした。雨が降ってきて苦しい走行でしたが、雨が止み少し路面が乾いてきて、レインタイヤと自分のスリックタイヤのラップタイムが同じくらいになったので、これなら頑張れると思っていたら、また雨が降ってきてしまいました。その時点でドライバーのミニマムラップ数になっていたので交替。各チームで戦略は分かれていましたし、どれが正解だったのかは結果論でしかないと思いますが、最後尾からスタートする自分達にとっては、この作戦が正しかったと思っています。ジュリアーノがウエットでもドライでもペースが良くて、セッティングの確認ができたのは収穫だったと思います。次戦のオートポリスは、勝ちに行きたいと思っています。」
ジュリアーノ・アレジ 36号車ドライバー
「とても難しいコンディションだったけど、ウエットとドライでポジションをキープしながら走行できた。でも最後の最後に100号車の山本選手にパスされてしまった。それが悔しい。山本選手はとてもクレバーなドライバーだけど、やっぱり悔しい。坪井先生がスリックタイヤのままウエットコンディションで頑張っていたのはすごい。あれを見て、自分も頑張るしかないと思って準備していた。レースの3分の2を任されて、トラブル無くポイントを獲得することに集中した。黄旗の件はまた学んだ。今後は気をつけなくてはならない。マシンのポテンシャルが高いことはここでも確認できたので、オートポリスのレースを楽しみにしている。」
吉武 聡 36号車エンジニア
「ジュリアーノは頑張りました。チャンピオン経験者の山本選手を抑え切ったら褒めてあげられたのですが、最後にパスされてしまったのが悔やまれます。坪井もジュリアーノもドライ、ウエットでマシンのバランスが良いことを証明してくれました。37号車が後ろを走っていた時も差を広げて周回していましたから、セッティングは良かったですね。最後尾からポイントを獲得できたのは良かったのですが、ペナルティが科せられて、さらにペナルティポイントも加わると、次戦でジュリアーノが練習走行を1時間走れないかも知れない。また、スターティンググリッドの降格もあるかも知れません。」
伊藤 大輔 36号車監督
「ドライコンディションであれば自信がありました。どれだけ順位を上げられるか期待を込めて坪井にスタートしてもらって、雨の可能性も当然考慮しつつ天気も見つついたのですが、予想外に雨の降り出しが早かった。それでも坪井にステイアウトしてもらい、また乾いた時にはもっと上位を望めるかと思っていたのですが、再度雨が降り始めて、ピットインを判断しました。坪井の素晴らしい仕事には感謝です。ジュリアーノもいきなりのウエットで頑張ったし、スリックでも良い走りでした。100号車にパスされたことと、黄旗区間追い越しの認識が少し違っていたことについては修正して、残り2戦でもっとパフォーマンスアップすることを期待しています。」
舘 信秀 総監督
「練習走行が好調だっただけに<パワーが出ない>と聞いてガッカリ。トラブルだからしょうがないが、残念至極の予選だった。第5戦の鈴鹿で、最後尾から優勝したIMPULという例もあるわけだから諦めはしていなかったが、決勝はなんとも雨に翻弄された。坪井が濡れた路面をスリックで走行し、ミニマム周回数まで本当に頑張った。チームリーダーとして彼の走りはさすがだった。そしてレースの3分の2をジュリアーノに託したわけだが、ウエットでも、ドライでも、上位陣に遜色のないタイムで走行してくれたことには成長を感じた。黄旗区間追い越しは、認識の違いがあったようだが、それは改善しなくてはならない。」
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