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episode 25

父のおもいでのメール

はじめてのケータイは2001年のPHS。2年使って、その後、携帯電話に契約変更。2011年まで8年も使い続けた。それが、この電話。

表示されているのは、2002年の夏のメール。当時、お父さんが入院中で、毎日世話をしに行っていたお姉さんが日報のようにして送ってくれたのだという。お父さんはその年の9月に亡くなったという。

「これを見たかったんです」と遠藤さんは声を震わせた。

表示されている日付は2004年。これは、PHSで受信した元々のメールを、機種変したケータイに送った日付である。そこはかとなくユーモラスで、お父さんのキャラクターがよく出た懐かしいメールを、いつもそばに置いていたかったから。

でもいつしか、この緑色のケータイの電源が入らなくなった。それが今日復活した。

「ホントは、元のPHSのメールが見られたらベストだったんですけど、いえ、この文面がまた見られただけでも……」ちなみに写真は、10年ほど前のお母さん。庭で採れたゴーヤと一緒に撮ったもの。

「帰ったらこのメールと写真を母にも見せてあげたい。きっと喜んでくれると思います」

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