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episode 34

私の誕生日に残してくれた亡き夫のメッセージ

再起動したケータイの音声メモに残されていたのは「作ったよ」「てんやわんやだよ」というそっけない言葉。「なんの話だったのかな……ちょっとわかんないんですけど」そう言いながら、涙がとめどなく溢れてきました。それは8年前に亡くなったご主人の留守電メッセージ。

「病気してたわけでもないのに、心筋梗塞で突然でした……。で、この留守電の日付ね、私の誕生日なんですよ。もう忘れちゃったけど、誕生日になにかを作ってくれたんでしょうね(笑)」

毎年、プレゼント以外にケーキとお花でお祝いしてくれていたそう。ケータイが再起動して当時の記憶がよみがえり、涙ぐむ五十嵐さんの隣には「残ってたんだ。よかったね」と微笑みかけている男性が。「いわゆる“今カレ"です」と、五十嵐さん、照れくさそうに現在のパートナーを紹介してくれました。

左2枚がご主人。右はお嬢さん。写真からおおよそ10年を経て、先日、男の子を出産されたのだとか。

なんと五十嵐さん、“おばあちゃん”だったのです。

「今日は主人の声が聞けて本当によかった」という五十嵐さんと、その様子を暖かく見守っていた“今カレ"さんのお二人。お互いのやさしい笑顔がとても印象的でした。

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