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episode 37

父の自撮りの遺影

佐藤さんが持ち込んだのは、2010年ごろに使っていたケータイ。

無事に再起動すると、2005年に46歳の若さで亡くなったお父さんの写真が出てきました。「あー、これ入ってましたか。確か、父の遺品整理で出てきた画像のデータを移したんだと思います。これは末期ガンで入院している時、自撮りしたんだと思いますよ」

 

町工場の責任者を務めたお父さんは、どうやら病状を知っていた模様。

 

「入院中は治療薬で朦朧としてることが多かったんですけど、これ、本人としては遺影にしようと思っていたみたいですね……結局、別の写真にしちゃったけどね」

そして今は自身が二児の父。「帰りに実家に寄って母に見せてやります。お盆ですしね。きっと喜んでくれると思うな」

ちなみに奥さんの復活させた写真は、広島の市電。2人とも、全国チェーンのホテル勤務。職場で知り合い、恋人時代から全国の系列ホテルによく出張していたそう。当時も、結婚した今も同じ町に出張に行くケースが多いのですが、残念ながら一緒に行ったことはないそう。

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