泣いていらしたので、思わず声をかけてしまいました。
こちらはジョーさん。
彼女が最近まで使っていたガラケーから復活したのは、親友の写真。中学の演劇部の1年後輩。でも、その後は先輩・後輩ではなく、友人として親しく付き合ってきたと言います。
写真は4年前、その友人と2人で甲府に旅行した時のもの。
「縁もゆかりもない土地だし、彼女は下戸だったので、ワインを飲むようなこともなかったんですけど、不思議と心なごむというか……。科学館みたいなところのイベントで恐竜の展示を見たんです」目を真っ赤にはらしながら答えるジョーさん。親友の写真が全部、隠し撮りふうになっているのは、「彼女は写真を撮られるのが苦手で……」だから写真があまり手元にないと言います。「今回、貴重な1枚が出てきたのがすごくうれしいです」親友はがんを患い、1年ほどの闘病の末に亡くなってしまったそう。お話を聞かせていただいたお礼を言うと、ジョーさんはにっこり微笑んで言いました。
「みなさん、おからだは大事になさってくださいね」