塩崎さんが持参したコンビニ袋からごそっと出てきたケータイには、「ともちゃんの“おもいで”が詰まっている」とのことでした。
「ともちゃん」とは、塩崎さんの奥様。「ちなみに自分は“まーくん”と呼ばれていました」と、照れながら語る塩崎さん。奥様は、塩崎さんより5歳年上で、9年前に41歳の若さで突然亡くなったそう。心臓麻痺でした。
au KYOTOに塩崎さんが訪れた3月10日は、奥様の命日の2日前。
「自分は大阪の堺市に住んでいて、4月末にウチからも近い大阪の『au ABENO』でこのイベントがあるのは知っていたんですけど、ともちゃんの命日までに再起動できたらいいなと思って京都まで出てきました」
そう語る塩崎さんの手には、ずっとタオルが。実は再起動する前、来店された時から塩崎さんは口元を覆って涙をこらえていました。
そうしてよみがえったのは、奥様との何気ないやりとり。
そして2匹の愛犬。
「丁寧に対応してくれてうれしかったです。嫁とのメールや写真も復活したし、ほんまありがとう……まわりの友だちにこのイベントのこと紹介してまわればいい?」終始、目を潤ませていた塩崎さんも最後にはご機嫌な笑顔に。わずか3年半の結婚生活だったそうですが、塩崎さんからは奥様へのいまだに変わらない愛をひしひしと感じました。そして、塩崎さんは再起動したケータイを奥様の仏壇にお供えしたそうです。