「誰これ!どこの赤ちゃん?(笑)」ケータイに残っていた動画データを再生してみると、見たこともない赤ちゃんのムービーが再生されました。もちろんR子さんではありません。ホラーか!?と思いきや、「よくこういうことがあったんです」と笑うR子さん。このケータイ、実はお母さんと共用していたものなのだそう。「私が中学から高校のころに、お母さんと一緒に使っていたんです。だから、私の知らない写真とかムービーが時々出てきて。懐かしいなあ……」お母さんは12年前、R子さんが高校時代に亡くなりました。「何回かガンにかかって、その都度打ち克って戻ってきたんですけど、最後には負けちゃいました。高校時代は写真といってもプリクラが多くて、生前のお母さんのちゃんとした写真がないかなと思って、今回古いケータイを持ってきたんです」
ありました!何枚かのお母さんの写真と、いくつかのお母さんとやりとりしたメールは、いまでもしっかりとケータイに残っていました。
残っていたデータはすべてをSDカードにコピーして、素敵な1枚を見せてくれました。
「両親が結婚20周年のお祝いデートをした時の写真です。父が予約したはずの浅草のイタリアンが、実は予約されてなかったみたいで(笑)。運良く入ることができた上に、当日にもかかわらず、ちゃんとデコレーションしたケーキまで出してくれたそうです。お母さんがすごく喜んでいたって、父から聞きました」
お母さんの闘病中、自宅で穏やかに過ごせた時期のことだそうです。
お母さんが亡くなって今年で12年、お父さんは今も結婚記念日を大切にしていると言います。「私と姉を呼んで、お父さんと一緒にお祝いするんです。あと、父ひとりで夫婦の思い出の場所に行ったり」