公益財団法人日本サッカー協会(JFA)とサッカー日本代表のサポーティングカンパニーであるKDDIは、2021年3月25日(木)に日産スタジアムで開催された国際親善試合「SAMURAI BLUE(日本代表)vs韓国代表」と、3月26日(金)に東京スタジアムで開催された「SAISON CARD CUP2021」の「U-24日本代表vs U-24アルゼンチン代表」で、新たな応援体験「The Blue XR」を提供した。
「The Blue XR」とはスマートフォン向けアプリ「au XR Door」を通じて、普段は見ることのできないスタジアムの空間や映像をXRでユーザーに提供するというもの。XRとは現実世界と仮想世界を融合して新たな体験を作り出すVR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの技術の総称だ。
アプリを起動すると、自由に歩き回りながらVR空間を楽しめる「アクティブモード」と、座った状態や寝転んだ状態でもVR空間を楽しめる「プチモード」が選択できるようになっていた。
「アクティブモード」を選択するとスマートフォンのカメラが起動し、表示される手順に従って画面をタップしていくとカメラが映し出す現実空間に仮想の青いドアが出現。
そのドアをタップして開き、室内を歩いて中に入るとピッチの中央に移動し、実際のスタジアムを360°渡せる再現空間に入場できる。コロナ禍で多くのファンがスタジアムに入れない中、自宅からスタジアムに入ることができ、試合前のスタジアムの臨場感を味わえるようにしたわけだ。
ちなみに「プチモード」を選択すると、スマートフォンの画面上に白いドアが出現。このドアが自動的に開き、「アクティブモード」と同様にダイナミックなスタジアムの再現空間が目の前に広がった。
スタジアムの再現空間では「The Blue 360°」、「ロッカールーム」、「スタジアムスタンプラリー」という3種類のコンテンツが体験できた。
まず「The Blue 360°」だが、360°を見渡せるカメラでサッカー日本代表の活動の様子を撮影した、ここでしか見られないスペシャル映像を視聴することができた。「SAMURAI BLUE」の映像は過去の日本代表戦を360°カメラで撮影したスペシャル動画、「U-24日本代表」の映像は合宿風景の舞台裏を360°カメラで撮影したオリジナル動画だった。
次に「ロッカールーム」だが、実際のロッカールーム映像を360°見回せると同時に、「SAMURAI BLUE」と「U-24日本代表」の全選手のプロフィールが見られるようになっていた。それに加え、選手インタビューおよび練習風景(U-24日本代表のみ)の映像も視聴できた。練習風景映像は自身も練習に参加しているような視点から楽しめた。
選手インタビューは各代表チームの選手たちが試合に向けた意気込みを語り、インタビューの最後に透明アクリルプレートにサインを書き入れていた。そして、そのサイン入りプレートが「スタジアムスタンプラリー」の日本代表スペシャルグッズとして応募者にプレゼントされるという趣向になっていた。
「U-24日本代表」の試合だけで提供された練習風景映像は、大会直前の合宿の様子をドキュメンタリータッチで構成。今の時期に日本国内で試合が開催できることに対して感謝の気持ちを込めたメッセージが伝えられていた。さらに、試合直前のウォーミングアップも5Gでライブ配信。360°映像なので、スマートフォンを動かしながら、まるで代表チームの一員になったかのような没入感が得られた。
「スタジアムスタンプラリー」は、バーチャルスタジアム内に設置されたサッカー日本代表スポンサー各社のブースに訪問し、獲得できるスタンプをすべて集めると日本代表スペシャルグッズが当たるキャンペーンに応募できるというもの。
スペシャルグッズは前述のサイン入りプレートに加え、各代表チームの全選手のサイン入りユニフォームと、JFA100周年オリジナルタオルマフラーが用意されていた。
新型コロナウイルス感染症対策のため、3月25日の韓国戦は8356人、3月26日のアルゼンチン戦は8416人しかスタジアムに入れなかったが、多くのサポーターが自宅から声援を送り、韓国戦は3-0で快勝。アルゼンチン戦は0-1で惜敗したものの、3月29日の再戦では3-0とリベンジを果たした。日本国内でサッカー日本代表の試合が開催されるのは2019年以来だったが、このアプリで観戦のポイントを予習することができた。
今後の試合もスタジアムに行きたくても行けない状況が続いている可能性が高いが、「The Blue XR」を利用することで今後は応援の視野が大きく広がりそうだ。